ちょっとオススメ漫画

最近読んだ漫画でオススメなのを少し。

4月8日 秋葉原で買ったもの
で紹介したんだけど、やっぱキルミーベイベーアンソロ本は完成されてるな。

買った日は小島アジコの漫画だけ読んでキャッキャッ喜んでただけだけど、全部通して読んだら数人がキルミーベイベーの黒い部分を表現してて面白かった。

原作読んでないんだけどキルミーベイベーって何だか退廃的と言うか儚い雰囲気がある漫画だと思う。基本的にやすなとソーニャしか登場しないってもろセカイ系だしソーニャちゃんの殺し屋としての顔をやすなが知らなかったり、あぎりさんも一切感情を見せないし。やすなが色々考える人物だったら結構精神的に辛いものがある。

キルミーベイベーは殺し屋ソーニャちゃんと普通の女子高生やすなとのスラップスティックコメディ漫画(スラップスティックって言っても古谷徹三ツ矢雄二神谷明などがやってたバンドじゃないよ!)って事でまんがタイムきららでゆるっと連載中なんだけど、劇中で描かれてない所で「死」が散らばってるんだよね。原作では人を殺してるソーニャとかソーニャが殺しをしてる事実に対して葛藤するやすなは絶対描かれない。精々、ナイフを振り回すソーニャや「殺し屋なんてやめてー」って言うやすなが出るくらい。でも、確実に二人にも裏の描かれてない顔があって、それを描いちゃった人がこのアンソロには2人いる。小島アジコ袴田めら


袴田めら「苺とチョコレート」ではやすな視点でたまたま交通事故の現場に居合わせたやすなが不謹慎にも気分が高揚しちゃって人の「死」について色々思考するって話。人の死は退屈な高校生活を送る普通のやすなにとって刺激的で魅力的なもの。だが、身近なものとは言えない。しかし、殺し屋をしている友人のソーニャにとっては「死」なんて陳腐な日常の一部にしか過ぎない。そんな思考を隠しながらやすなはソーニャの前で道化を演じてる。ソーニャの素顔が描かれていなのと同じで実はやすなの素顔も描かれていない。何故やすなはソーニャに付きまとうのか。もしかしてやすなも強ちアホだけじゃないのかも。


小島アジコ「キルミーキルミーベイベー」ぎゃー!「ORANGE STAR」の小島アジコだー!ソーニャとやすながクラスで(世界で?)二人っきりである事を客観的に見たら一体どういう状況だと理解されるだろうって話。冒頭でキルミー世界のモブキャラ二人がファミレスで会話をしている。
「そーいえばさー、私のクラスに自称殺し屋の女子がいてさー」
「えー何それ、中二病ってやつ?」

うわー!やめてあげてー!ぐぬぬぅ。

「でさ、その子全然友達できなかったんだけど一人とりまきみたいのが居て、クラスに馴染めない者同士傷の舐め合いみたいで気持ち悪いよねー」という話題から突然殺し屋の方の子が消えたというシリアスな話題に。馬鹿にしていた虚言がもし本当だったら。それがオチかと思いきや、最後にとんでもない小島アジコらしいヒネたオチがあって、それが大好き。

まあ、キルミベイベーの裏側を模索するなんて無意味なんですけどね。
どしたのわさわさ。