映画 けいおん!を見てきた。

5/31 けいおんの映画見に行って来た。
いやぁ
おじさん感動しちゃったよ。
おじさんも女子高出身だからさ、ああいうの凄い懐かしいんだよね。


まず上映前に軽くジャブを食らったのは隣がカップルだったこと。
まあ、そんな事は映画が始まってたらどうでも良くなったんだけども


まず、画面にでかでかと現れたのはローマ法王の格好で数万の死体の上で中指を立ててドヤ顔の澪ちゃん。その映像美に圧倒。


まあ、真面目に言うと「でっかいテレビ」って感じかな。
つまり、映画っぽいドラマティックな出来事はなく、例えば2期の3話みたいな修学旅行回程度の特別感しかなかった。でも、それが悪い事かって言われるとそんな事無くって、寧ろ『けいおん!』って作品はその特別がない事が良いんだ。
そんなのどこが映画として面白いんじゃって言うのはかなり正しい意見。これだけ商業的に大成功したのは観客の愛が『けいおん!』っていう特別な事がないアニメを盛り上げているからであって、決して万人受けする映画でもない。でも、一度この作品を愛する観客の立場になってしまったら忽ち冒頭の「じゃあ、唯。ハーモニカ吹いてみろよ〜」「すみません!吹けません!」っていうやり取りに大爆笑しちゃうのですよ。だから『けいおん!』が嫌いって人の気持ちもまあ、分るんだ。身内で盛り上がってる結婚式に行っちゃってその大騒ぎの中に入り込めない感じの居心地の悪さを感じると思う。嫌だよね、そういう集団の中にいるの。でも、放課後ティータイムの奴らはその集団を広げていく作業がめちゃくちゃ上手いんですよ。5人のメンバーの内誰かを好きになればそれでOK。後は練習しなかろうが、グダグダのMCしようが全てが許される。彼氏とかさえ作らなければある程度の事は観客の愛が包んでくる。ライブの時だろうが映画出演の時だろうがハレの場をケに変える所が『けいおん!』の面白い所だなぁ、と今回思った。

線の内側論ってワケですよ。でも、それもいいじゃないですか。今回、その線の内側論を分りやすく観客に伝えたのが「オカルト研究部員」の二人。オカ研の二人はネタキャラってわけじゃなくてもう一つの放課後ティータイムなんですよ。唯にロンドンみやげにネッシーの写真を取ってきてほしいと言った後、くすくす笑い出すシーンで唯はその面白さに気づいてないんですよ、でも二人はオカルトという共通の青春を持っているから「ネッシーの写真」という単語だけでくすくす笑い合えるんです。逆に言えばオカ研の二人に「あずキャットくよ!」って言っても何の事だかわからない。放課後ティータイムとスクリーンの前のお友達にしか分らない「楽しさ」があるのと同じで二人には二人だけの「楽しさ」があるんです。そりゃ、線の外側の人間には分らない楽しさなんです。


そんな『けいおん!』を愛する事で得た限られた「楽しさ」をぶら下げて映画を見ると、やっぱりロンドン旅行でもみんな可愛かった!って事ですよ。今回、律澪はあんまなかったんだけど唯梓は結構際どい所まで行ってくれたし、その辺は隣のカップルもペッティングの手を緩めるほどだったと思う。
ベタな事言うけど、やっぱり作画がいいんだ。ディテールがしっかりしてて唯ちゃん達の行動に説得力があるんですよ、そりゃ、ロンドンで2回も演奏しやがってとか、ばったり知人と再会とかうっそーんな展開もあるんだけど、展開なんか無視できるアニメーションとしての居心地の良さがあるんだ。極端な話、その居心地の良さだけでこの映画に90点出せるくらい。何気ない日常の仕草がアニメなりのデフォルメを加えて再構築される瞬間が堪らなく心地いい。例えば、あずにゃんが座る時、何気なくスカートをお尻と太ももの間に手で収納するシーンとか見ていてそれだけで映像的に楽しいんだよね、そういった楽しさを求めることにおいては『けいおん!』という作品の特別な事がないって特性がぴったりあってる。女子高生のなんてことない仕草見て楽しいって思うなんて病的だと思われるかも知れないけど、『女子高生 GIRL'S-HIGH』のEDなんか分りやすいんじゃないだろうか。

梅津 泰臣の作画の心地よさって、こういったアニメ的現実の再構築なんだと思う。まあ、それが分らないっていう人はアニメをあんま見れない人であると言っていいくらい。

そいったアニメ的な快感と共に意外と成長の過程も描かれてるのって所に注目すると結構目頭が熱くなるかもしれない。今回の旅行ってみんな言わないけど放課後ティータイムの終わりの旅なんだよね。絶対的に終わりが設けられてるからこそのどうでもいい日常描写なわけです。
まあ、でも実際には全員でしかも推薦蹴ってまで同じ大学に進むっていうオタク達が流した涙を裏切るようなオチは映画とは別の所であるんだけど。そのオチっていさぎの悪さが出ちゃってあんまよくないとは思う。(その点であっさりと物語を終わらせたあずまんが大王は偉大である)

つーわけで、僕的には映画『けいおん!』面白かったです。

80点!


後、気づいた事少々


●りっちゃんの「なんじゃらほい」がめちゃくちゃ可愛くて眩暈した。
  ○りっちゃんが背景モブから会話に参加して主要人物になる瞬間みたいなのが心地よかった。
●ムギちゃんより澪ちゃんの方が英語聞き取れるって意外だった。大丈夫か、世界の琴吹家。
●唯梓が濃厚だった。ギー太に抱き着こうとした唯を自分にセックスを仕掛けてきたんだと勘違いした梓の一言「私!そういうんじゃないんです!」はけいおんにしては攻めた台詞。
  ○翌朝、朝食を食べながら考え事してる唯が自分に見惚れてると思って怒ったのもよかった。どんだけ自意識高いねん、梓。
●早朝ゲリラ?ライブで勝手に教室の机をステージにしてたけど(拭いたとはいえ上履きで乗っかってる)あれ、関係ない生徒からすればマジで迷惑だろ。
●梓が全体的に淡白。まあ、テレビアニメでテンション上がるから仕方ないか。
●唯ちゃんの後ろにネコがしがみ付いてるどてらが可愛い。
●よくあずにゃんサイズのスニーカー売ってたな。
●旅行中に携帯画面越しに見る妹(憂)のコスプレ姿っていうのがなんだかNTRみたいだった。
●オープニングではしゃいでる律の弟ぶん殴りたかった。
  ○隣のババアは相変わらず善人過ぎて怖かった。
●アビィロードで裸足にならない澪ちゃんに失望した。
●エンディングの曲の流し出しのタイミングが気持ち悪かった。









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