マイリトルポニー 第39話「メリーメリーキャンタロット」感想。

トワイライトたちは、ユニコーンとペガサスとアースポニーが、それぞれの違いを乗り越え、エクエストリアを建国した歴史を解説する劇に出演する。

これは若者言葉で言うところの「神回」ってやつですよ。
ついに今までひた隠しにされてきたユニコーンとペガサスとアースポニーの種族戦争が明るみになるという事です。
今までペガサスが一番の優等種族だと思ってたけどユニコーンの魔法のチート性が顕著ですな。アースポニーは確実に第三世界の生産者。
それぞれの役割はというと、発展途上種族のアースポニー達が土を耕し食べものを作り、第二世界のペガサス達がその生産を管理している。(天気を管理するため)
そこでユニコーンの役割はというと昼と夜を運ぶ事らしんだけど。これはどういう役割なのか。
恐らく、おれの考えではユニコーン達は本当に魔法か何かで昼と夜を運んできているわけじゃないと思うんだよね。シンプルなコスモロジーでただ単に一日単位で地球が自転していて太陽の光が当たるか当たらないかの話だと思うんだ。それをユニコーン達がまるで自分たちの魔法で管理しているみたいな言い方をして他の種族を騙して、自分たちの仕事を「昼と夜を運ぶ」なんていう大それた嘘を言って神のポジションに居座ってるだけなんだ。だから他の二つの種族は間違ってもユニコーン達だけには逆らえないはずなんだよ。実際生活水準はユニコーンが一番高いと思う。劇中の三人の女王の中で唯一ユニコーンの王女役のラリティが宝石やマントなどの装飾類を身につけてたし*1大きな白亜の城に住んでいるユニコーン達は寒さに対して一番防御できてたし。*2
まあ、幼女アニメでそこまでエグい話もないから三種の種族が平等に戦争状態にあるんだけど、その戦争状態からの解決、つまり平和への移行の仕方が面白かった。その方法というのがこの話での、まあ、若者言葉で言うところの「味噌」になる。
ウェンディゴというポニー達が喧嘩をすると吹雪を起こす悪魔が存在して、ポニー達は強制的に戦争が出来ない状態に置かれる事になるんだ。それは正直、戦争をしたくても出来ない状態。その状態をポニー達の平和とするのが今回の話のオチ。ウェンディゴは核の暗喩で吹雪というポニー達のがどうしようもない圧倒的な力でポニー間に起こる戦争を抑圧しているんだ。それで穏健派のポニー達の友情で*3ウェンディゴを倒すんだけども倒した後、凍りづけから解放されたそれぞれの国のリーダー達が急に協調性を訴え始めたのは、戦争がウェンディゴの吹雪(世界の終り)のトリガーとなることが分かったから。ウェンディゴの復活を恐れているから上辺だけでも仲良くなろうとしている訳だ。*4
偽りの平和が本当の平和としての役割を担っているという尊いお話なのでした。
でも、平和状態にある現在のエクエストリアではウェンディゴという恐怖は日に日に薄くなっていくもの。そこでプリンセスセレスティアという王女を君臨させることでウェンディゴに対する恐怖よりも今ある平和への維持に民衆の目を導けば完璧な国家の完成です。

やっぱりマイリトルポニーはちびっ子の教育に最適だね。




他、気付いたこと。

  • ユニコニアのリーダー「プラチナ王女」(ラリティ)は絶対王政の事。
    • ペガソポリスのリーダー「ハリケーン将軍」(レインボーダッシュ)は軍国主義の事。
      • 土村・アースのリーダー「プディングヘッド首相」(三森すずこ)は少なくとも議院内閣制を採用しているから民主主義?それよりも少数民族ないしは団体の代表者という立場かもしれない。

で、結局三つの国家が共存するエクエストリアではプリンセスセレスティアという君主の絶対君主制を採用してるんだよね。
まあ、プリンセスセレスティアが政治に参加している描写は今のところ見ないので天皇という立場なのか。
うーむ、考えれば考えるほど楽しいな。

とそれぞれ考えてみよう。

  • ポニー達の友情だけが平和を支えているんだ、なんて子どもでも思わないからきっとこれを見た子どもは色々考えるだろうな。
  • キャスリーン・リッチャーみたいにこのアニメを「性差別主義的および人種差別主義的で異性愛規範を推奨している」とは評論するつもりないけどやっぱ香ばしいよなー。
  • ラマって何なんだろう。家畜かな。確かポニー達と喋ってた気がするんだが。
    • 後、ゼブラも
  • 三森すずこが「今日はクリスマスプレゼントがあるよ!」って子供には刺激強すぎだろ。
  • 放送日が来年から火曜から木曜に変わるのは地味に嬉しい。木曜テレビ盛りだくさんだな。5時に夢中、ニッポンダンディ、ポケモンXY
  • あの中ではピンキーパイが一番殺しやりそう。「君、つまんないよ!死んでっ」みたいな。
    • レインボーダッシュは一応、軍法会議にかけるとか言ってたな。
      • ラリティは血とか見るの嫌そう。
  • 関係ないけど一度この感想のページが消えて書き直したんだが前に書いたものよりクォリティが劣るのがすごく悔しい。

*1:但し、ラリティの我が儘で劇の衣装ではなく自前の宝石やマントを勝手に着てるだけでエクエストリアの歴史を忠実に守っていない可能性もあるが。

*2:一番酷いのはアースポニー。藁の家が吹雪で飛んで野ざらしになってた。ペガサス達は立地的に寒さが厳しかっただろう。

*3:正確にはユニコーンの覚醒した魔法

*4:それが最後の窓を閉めるのは誰かで言い争っていたシーンに繋がる。